バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
(ヴァンパイアになった彼女はどんな匂いで味がするのか…?)
少し人間である彼女も名残惜しい気がして彼女の匂いを嗅ぎながら顎先からフェイスラインをじっとりと舐める
すると彼女が目を開けた
「ろき…?」
熱に浮かされた瞳でこちらを捉える
「ご…めん、体力なくて…」
こんなにしているオレを彼女は責めるどころか俺に応えようとしてる
人間とヴァンパイアの体力の差なんて歴然で、彼女はとっくに限界を超えているにもかかわらずだ
「もうちょっと、まってて…」
いつもそうだ、オレがどれだけ身勝手に彼女を蹂躙しても彼女はそれを責めたことがないどころか毎回オレを受け入れている
夫を殺したことも責めないどころか、あれ以来一度だって聞かない
(なんで、何も責めない…?)
彼女が薄情ではないことはずっと側にいるから知っている
どんなに夫を愛していたかも、子供達に夫の思い出を優しく話す姿から、
未だに死んだヤツの誕生日に好物を用意することも、
何より忘れ形見の子供達をいい加減な彼女が愛情を持って厳しく育てている事からもありありと伝わってくる
そんな大切なものを奪った俺に彼女は寛容すぎる
知らない間に眉間と口に力が入って情けない表情で固まってしまう
「ごめん、ひとりで、さみしいよね」
オレを両手で優しく包んで額に口付けをする
「いっしょにねよ」
いつの間にか彼女に爪を立てていた手は彼女の手を握っている
「あぁ、おやすみ」
彼女はオレの頭を抱えながらまた規則正しく寝息を立てる
おれもその優しい呼吸に誘われ、まるで跪くような格好で彼女に抱きついたまま安らかなまどろみの先へ落ちていく
少し人間である彼女も名残惜しい気がして彼女の匂いを嗅ぎながら顎先からフェイスラインをじっとりと舐める
すると彼女が目を開けた
「ろき…?」
熱に浮かされた瞳でこちらを捉える
「ご…めん、体力なくて…」
こんなにしているオレを彼女は責めるどころか俺に応えようとしてる
人間とヴァンパイアの体力の差なんて歴然で、彼女はとっくに限界を超えているにもかかわらずだ
「もうちょっと、まってて…」
いつもそうだ、オレがどれだけ身勝手に彼女を蹂躙しても彼女はそれを責めたことがないどころか毎回オレを受け入れている
夫を殺したことも責めないどころか、あれ以来一度だって聞かない
(なんで、何も責めない…?)
彼女が薄情ではないことはずっと側にいるから知っている
どんなに夫を愛していたかも、子供達に夫の思い出を優しく話す姿から、
未だに死んだヤツの誕生日に好物を用意することも、
何より忘れ形見の子供達をいい加減な彼女が愛情を持って厳しく育てている事からもありありと伝わってくる
そんな大切なものを奪った俺に彼女は寛容すぎる
知らない間に眉間と口に力が入って情けない表情で固まってしまう
「ごめん、ひとりで、さみしいよね」
オレを両手で優しく包んで額に口付けをする
「いっしょにねよ」
いつの間にか彼女に爪を立てていた手は彼女の手を握っている
「あぁ、おやすみ」
彼女はオレの頭を抱えながらまた規則正しく寝息を立てる
おれもその優しい呼吸に誘われ、まるで跪くような格好で彼女に抱きついたまま安らかなまどろみの先へ落ちていく