バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー

気付けば一軒の家の前にたっていた

クリーム色の塗り壁の外壁におそらく南欧風のオレンジの瓦屋根はほとんどが雪で覆われている
玄関に近づけば自動センサーで、側の丸い街灯に暖かな電気が灯る

扉に手をかけた時だ、バチっと大きな静電気のようなショックが走る、指先が少し切れて血がにじむ

奇妙な感覚だが気にせず、ヴァンパイアの力でドアの電動ロックを解除し中へ入る

ウィーン、ガチャ、

玄関奥のドアからオレンジの暖かい光と空気が流れてくるようだ

人の気配は一人分、

女のようだ、

アルコール臭もする、

鼓動と呼吸は早めだが規則正しく、寝ているかのように静かだ

人より何倍も優れた感覚でリビング内を感じ取るとそのままリビングのドアを開けた

目の前にはすぐにダイニングテーブルがあり、一人の女が酒を開けながら眠っている様だった

手元には黒渕メガネが置いてあった

なぜそんなことをしようとしかなんて全く分からないが、俺はふとそのメガネをかけてみた

俺たちは目がいいから基本的に眼鏡なんて必要ない、単純な好奇心からだろうか、だがかけてみると視界こそ度があってないため少々ぼやけるが中々のフィット感でよく馴染む

メガネを持っていた女は手に持つ眼鏡の感覚がなくなったためか、顔を少し横を向けるように動いた