バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
それと同時に先程の匂いが強くなる、さらに甘いまろやかな匂いが加わり虫を誘うように甘い蜜の香りが鼻を支配する

その香りは自然と口の中まで広がり、早く味も楽しみたくなり自然と唾液が溢れだす

思わず露になった首筋をたっぷりの唾液でベロりと舐めて味見をする

とても極めが細かく滑らかな肌は赤く熱を持っているが非常に肌触りがよくしっとりとしているため口に吸い付いてさえ来る感覚になる

まるで俺を求めているような肌であるとさえ思う
首筋から滴る俺の唾液が扇情的だ、そしてー

「んっ、」

彼女もびくりっと反応した

(最高の舌触りに香り、これで味を期待するなって方が無理だ)

また匂いが強くなり俺を誘う…、

かと思うと、潤んだ瞳で俺を睨み付ける

「私、怒ってるんだからね」

人間の女の凄みなんて全然怖くない、

怖くないはずなのに身体が固まり指先が冷えた感覚がしてくる
まるで小さな子供が思い切り叱られたような恐れをなした反応である、とてもまずいことをしてそれを指摘されている気分だ

耐えかねて、その視線から逃げるように思わず頭を下げて目線を外した

(こんな情けない顔見られたくない)

「?」

構わず女は俺の顔を覗き込む

初めての感覚に混乱している、なぜか後ろめたい気持ちとあいまってもしかしたら俺はひどい顔をしているのかもしれない
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