バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
先程の何倍もの量が一気に口に広がる、俺は夢中になってズルズルと勢いよく啜る

口の中が血液でいっぱいになるとゆっくりと味わうように、少しでも喉でとどまるよう飲み込む

「うっあっぁ…」

女が甘い声をあげる

気分がよくて口の端があがる

首筋に吸い付くのにパーカーが邪魔なので後ろに引き抜く
すると下着の肩紐が肩から落ち胸元が大きく空く

胸の頂き付近でかろうじて止まっている下着をそのまま下に向かって引きちぎる

露になった美しい胸がドクドクと揺れている

心臓近くから直接吸血すればもっと濃い味がするのではないか

そんなことを考え、今度は首筋から鎖骨、胸へと舌を這わせる

胸の頂きに舌が触れたとき、大きくびくりと身体が耐えかねたように跳ねた

なので、大きく頂きごと胸を口に含み舌を擦り付け牙を立てる

「やぁっ」

とまた甘くささやくと同時に味が濃厚になる

(思った通りだ、面白い…)

想像通りだが、想像の何倍も美味な血液にクラクラする

(そうだ、今度は腹はどうだろう?)

女の身体からはまだアルコールの匂いがする

(まだ胃や小腸に沢山残っているはずだ、ここから吸血すればよりアルコールの風味が強い血液を味わえる)

(いっそのことそこの臓器だけを取り出して食ってしまおうか)

腰に回していた手で、ウエストを撫で上げ舐める

「うっ、あっ」

女は少しのけぞって甘い匂いを撒き散らしながら声を漏らす

彼女の反応が楽しくてしょうがない

俺たちはアルコールで酔うことはないがこの時俺は確実に血液に酔っていたと思う

ふと気付く、段々と強くなる匂いと味は彼女の快感に比例している

しかし、その強い匂いの元が、血液だけではないことに…
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