バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
私はたまらず悲鳴をあげそうになって、歯にスキマが空く

彼はそれを待ち構えていたように、ぬるりと侵入してくる

彼の唾液で口の中がいっぱいになる

「飲め」

といって唇をふさぎ、また執拗に攻め立てるからゴクンッと飲み干してしまった

そのあとも彼は舌をねじ込み楽しそうに私の口の中を犯す

身体が中から熱い、

(なんで?やだやだ…)

私の心とは関係なく快楽に飲まれる身体を抑えようと、爪を立てて握りこぶしにぎゅっと力をいれる

血がにじむと彼がそれにすぐ気付く

彼はよりギラギラした瞳で、嬉々としている

もう考えがまとまらない、

(暑い、熱い、あつい)

頭に血が上りすぎて目元がチカチカしてきた

「暖房けして…」

身体が浮く感覚になる

ぐったりした私を抱きかかえると、

彼がまた私の手のひらの血をすすってひどい顔をしているー
< 43 / 167 >

この作品をシェア

pagetop