バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
ロキが我が家に来てから、半年がたった

「ロキの首輪洗っておいたよ~」

子供たちに洗ったばかりの首輪を手渡すと二人でロキの首に艶々の合革の首輪をかけている
ロキはそれを静かに受け入れている

ロキはとても大人しい、それに子供達の面倒をよく見てくれる

でも、少し変わった習性を持っていた

餌は私たちの前では絶対に食べない、お皿にドッグフードを入れておくと必ず私たちが見ていない夜の間になくなるのだ

夜は最近母親と寝るのが恥ずかしくなってきた子供達に連れられて一緒にベッドにはいって寝る
だけど、子供達が寝静まると私のところへやって来て眠る
そして、朝になると子供達を起こしにいく

でも、それよりももっと不思議な習性がある
月の半分ほど姿を消すのだ
私たちが知らぬ間に忽然と姿を消したかと思うとしばらくするとまたいつの間にか家の中にいる
始めの頃は子供たちもロキがいなくなると大泣きしていたが、今ではロキの習性だと納得したのか姿を消せば彼が帰ってくるのを心待にしている



私もロキがいない間は寂しいー
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