バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー
俺の与える刺激でだんだんと覚醒してきたのだろうか
あれだけ体液を吸われれば当然喉は乾いているだろうと思って、スマホと一緒に持ってきていたペットボトルをあける
彼女の頭を後ろから手のひらでやさしく抱き抱え、俺はペットボトルの水を口に含み彼女の口へ流し込む

こくんっこくんっ

少し口の端から洩れた水は舐めとる

「もっと」

身体の毛が逆立つのを感じるほど興奮する
もう一度、口に含みそっと流し込む
彼女は当然のようにそれを受け入れる

「もっとー」

また同じように、今度は彼女がこくんっこくんっと喉を鳴らしたのを確認するとすぐ次を流し込む

何度も何度も繰り返した、やがてペットボトルは空になり彼女の息はあがっている

「はぁっ、からだ、おもいっ、め あかない…」

「ーそのままでいい」

きっと身体はまだ休息を求めているためほとんど寝ている、しかし俺が無理に刺激を与えたから一部分だけが覚醒してしまったのだろう
目にかかった前髪を横へ流す
口許は弛むのに目はぎらつく、彼女が目を閉じていてよかった
俺に甘えて俺が与えたものだけを受けとる彼女に満足感を覚えるどころか、今度はもっと支配したくなる

(オレノモノ…)

「んっ、はぁっ、」

彼女の口に指をねじ込み、ぐちゃぐちゃにする、取り出した指は彼女の唾液でぬらぬらしている

その手で自分の昂りを確認すると、すでに我慢しきれておらずこちらもヌメヌメしている
こんなのいつぶりだろうと頭の片隅で考えながらも、俺の体液もついた指先で彼女の腰に触れる
彼女の腰がヌルリとした感覚に驚いたのか軽く浮く
そのままスリスリと液体を塗りつけるかのように腰を撫でる

「やっ、いじわる」

腰が敏感なようである
そのままヒップへと手を少しづつ進める

「んんっ」

彼女の手が俺の顔を手探りで挟む、そしてー

そして、自分の顔の方まで近付け、自分から唇を合わせる
それだけではない、今度は彼女の舌が俺の中に入ってくる
そしてなにかに追い詰められているように、執拗に俺の舌に絡みつかせてくる
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