バッドテイストーヴァンパイアの誤算ー



あの春の日、子供達はああいってくれたが、本当はヴァンパイアの俺は嫌われようと、
もう二度と彼女の前に人型で現れようとさえ思い付かないようにしてしまい、
彼女の一生を獣として側で生きようと考えていた

俺は嫌われるために混乱していて動けない彼女に追い討ちをかけるようにその身体を蹂躙した

だけど、彼女は俺に言った

「よく、意味がわからないです」

彼女の鼓動は早く、とても混乱しているのがわかる

「私の血って不味いんですよね」

今日も舌に感じるのは俺への恐怖と混乱ばかりで苦くくるしい

「…基本的には」

「だったら私の血以外はもう飲まないでください」

「私の血を飲んでる間は他の人を殺さなくてすみますよね…?」

「…」

彼女が何を考えているのかは全くわからない、だけど、俺に人を殺させない代わりに自分の血を差し出すつもりらしい

「もしかして私の血だけじゃ足りない?」

「そんなことない、だが、死なないように少しづつ飲む場合は1ヶ月に一回くらいの吸血が必要だ」

「だったらあなたは私が死ぬまでずっと不味い血を飲み続けて!」

彼女はそんなことが俺への罰になると思っているのか、最愛の男を奪った罪に対して軽すぎるように思える

でも、あまりに彼女は必死で真剣だ、彼女の願いを俺は拒めない

「分かった、そうしよう」

そうして、俺は彼女の呼び出しに応じて吸血することになった


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