隣の席の不思議系彼女
「安城、覚えてないの?」

「え? なにが?」

「今、安城がわたしにやってること、小さいときにやってくれたことと同じ。

思い出したからやってるんだと思ってた」

……え。
ちょっと待って、思い出さないと……。

……。
…………!

そ、そうか……。
昨日壺山に言われて思い出したのは、ほんの少しの記憶だった。

公園で泣いている女の子がクラスメイトでしかもいじめられていて、助けたいと思ったってことだけだった。
それ以外の説明は壺山がしていたし、何があったか聞くだけだった。

言ってたな、壺山。
俺が壺山を慰めてて、結婚しようって話になったって。

そのときのことを、思い出した。
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