隣の席の不思議系彼女
壺山お嬢様をエスコート
「ね、ね、敏兄ちゃん!
お土産、お土産!!」

土曜日の朝。
今日は壺山と一緒に、上間さんの豪邸のパーティに出席する日だ。

今日も岳が起こしに来てくれた。
いつもより高めなテンションで。

そして朝食の時間。
憂鬱な俺とは違い、目の前でトーストを頬張る岳は目を輝かせている。

「岳、敏は遊びに行くんじゃないのよ?
お土産なんて無茶言っちゃダメよ?

ああでも、豪邸の豪華なお料理かぁ……。
食べてみたいわねぇ……」

母さんは手を頬に添えて、ほうっとため息をついた。

「てりーぬ? ふらっぺ? ふぉあぐら? きゃびあ? ふかひれ? 本間のマグロ? 松坂牛? しゃんぱん? とか出るのかなぁ?
僕、食べてみたいなぁ~」

……なんだか最近、色んな言葉を知ってるな、岳。
弟の成長をこんなところで感じるとは。
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