隣の席の不思議系彼女
「僕も行きたいなぁ~。
美味しいのいっぱいありそうだし、楽しそうだし!
敏兄ちゃんだけずるいよっ!」

朝食を食べ終わり、足をぶらぶらと遊ばせていた岳が口を尖らせた。

可愛い弟だ。
行きたいと言われれば連れて行きたいけれども。
むしろ、出来ることなら変わってやりたけど、そうもいかないからな。

俺は食後のコーヒーを啜りながら、苦笑いを浮かべた。

「わがまま言ってると、今日のお昼、オムライスにしてあげる約束、どうしようかなぁ~」

「え~?! じゃあ行かない!
僕、おうちでオムライス食べてるから!
敏兄ちゃんいってらっしゃい!!」

さすが母親。
岳の胃袋を鷲掴みだ。

親指を立てて、俺にウインクしてくる母さん。
……歳を考えろ。

ってか、さっきまでテリーヌやらキャビアやら言ってたくせに。
結局オムライスかよ!
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