隣の席の不思議系彼女
パーティーは、本当に盛大なものだった。
壺山の家もよっぽどだけど、もっと大きい邸宅に、きらびやかな人々が集まっていた。

バロック調の豪邸に、岳が言っていたようなブッフェで立食。
だけどごめん岳、俺が食べた事ないし名前の知らない物ばっかりで、味とかの説明は求められても困るかな。
土産話は飯以外で頼む。

タキシードの男性に、ドレス姿の女性が談笑している。
まさに紳士淑女の社交場って言葉が似合う状況だ。

真剣に、俺が今いる場所は日本なのかと疑う。

「安城、さっきから挙動不審。
今日はわたしのエスコート役でしょ~」

もうっ、安城はこれだから、と壺山はいつもより慎ましく微笑んでいる。
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