隣の席の不思議系彼女
お礼言おうと思った気持ち、返せ!
言いかけたけどやめといて良かった!

じとりと睨んだところで、壺山は涼しい顔をしている。
ダメージなんて全くなさそうだ。

くそう壺山……。
いつか一泡ふかせてやる……!

俺は固く固く固~~~~く、心に誓った。


「行こう、安城」

「……わかった」

「良いなぁ、放課後デート……」

放課後、帰り支度を整えた壺山から声をかけられた。

訳がわからないけど、約束は約束だ。
約束を破るほど俺だって無慈悲じゃない。
野崎の羨ましそうな視線を無視しつつ、壺山と教室を後にした。

正面玄関で靴を履き替え、正門へ向かって歩き出す。
正門を出て左へ曲がる壺山の後について行く。

自分の家の方向でも、駅の方向でもない。
普段滅多に向かうことのない方へと進んでいる。
俺は少し不安になった。
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