隣の席の不思議系彼女
何故だか自宅デート
「……なぁ壺山。どこ行くんだ?」

「わたしの家」

「は?」

「だから、わたしの家」

いやいやいやいや!

こいつなんで自分の家に俺を引きこもうとしてんだよっ!
ってか、年頃の女子が男をそんな簡単に家にあげんなよ!
なんで「変なこと言ったかな?」みたいな不思議そうな顔してんだよ!

「バカか!」

「安城にバカって言われる筋合いない。
わたし、安城より成績良いよ?

先月のテスト結果張り出されてたでしょ? 見た? わたし学年3位」

そういうことじゃないんだってば。
……もう考えちゃダメだ、どうしようもないわ。

すたすたと前を歩く壺山。
ツッコむことにも返事をすることにも疲れてしまった俺は、押し黙ったまま壺山の後ろを付いて歩いた。
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