隣の席の不思議系彼女
「ただいま帰りました、麗歌です」

インターフォンを鳴らして話し掛ける壺山。
目の前にはここ日本?! ってくらいに大きな屋敷と、俺の身長をゆうに越えてそびえ立つ黒い門。

「え、壺山の家って……」

もしやこいつ、お嬢様なのか?!

確かにこのあたりは高級住宅街だけれども……!
このあたりで1、2を争いそうなくらいに大きい。

あんぐりと口を開けて、目の前の壮大な屋敷を見上げる。

「安城、今の顔面白い!
もっとやって! 間抜け顔!!」

なにかツボにでも入ったのか、きゃっきゃとはしゃぐ壺山。
……お前のツボ、わかんねぇわ。
てか間抜け顔は忘れろ。

俺がげんなりしながらははは、と力なく笑ったところで、目の前の門が音を立てて開いた。

「麗歌お嬢様、お帰りなさいませ!
……? 今日はご学友がご一緒ですか?」

うっわー、マジお嬢様だったかー。
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