隣の席の不思議系彼女
おたおたと言葉を探す俺を横目に、壺山はくすくす笑っていた。
目の前の執事さんもにこやかな笑顔を浮かべている。

「お夕食をご馳走するわね。
ぜひ、食べて行ってね」

シェフの作るご飯、とってもおいしいのよ、と壺山は俺に笑いかける。

「あ、ああ、はい……」

色々と圧巻で、何故だか壺山相手に敬語な俺。
大きな屋敷、漫画でしか見たことない執事、しかも今シェフって言ったよな?
……すごすぎる……!

てかしまった! また壺山を肯定してしまった!

今日は壺山の思う壺だ!
……壺山の思う壺……。
ふふふ……!
って、なにを思いがけずに出来てしまったダジャレで一人笑ってんだ俺は!!
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