隣の席の不思議系彼女
野崎は嬉しそうに頬を染めて口を裾で拭い、きりっとした表情を作っている。
やめろ、キモイ。
さっきまでパンくず散らしまくってたクセにカッコつけてんなって。

ま、確かに可愛いけどな。
女子の美容やら可愛さの定義やらさっぱりな俺にもわかる程、可愛い。

ちっちゃい顔にパッチリタレ目にふさふさまつ毛。
肌も健康的でありつつ、白くて綺麗だ。

あ、以前野崎が「良いなぁ、可愛いお口……」なんてぼやきながら、壺山の唇をガン見してたな。
変態っぽいからやめろって注意したっけ。

綺麗に手入れされたココア色の髪は、窓際の席で日に当たるとキラキラ光る。
今も、窓からの風にキラキラと光りながら揺れている。

それにしても、あんなに長くて邪魔じゃないんだろうか。
壺山の髪の長さは膝の位置だ。
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