隣の席の不思議系彼女
時々席に着くときにうっかり尻に敷いてしまい、座り直す姿を見かける。
密かに、結ぶか切るかしたら? と、思っている。
わざわざ言わないけど。

ま、完全美少女だってことだ。

そうだな、壺山を例えるとしたら、小さい女の子が着せ替えして遊ぶお人形みたいな感じかな。

これで性格もまともならなぁ……。

「安城にお願いがあるの。
次の移動教室、一緒に行って」

「なんで?」

ぼけっとそんなことを考えていると、じっとこちらを見ていた壺山が俺に声をかけてきた。

「理由いる? はい、決定」

……本当、なんなんだ、こいつ。

彼女は淡々と次の移動教室の準備を始めた。

次の授業何だっけ……?
移動……?
首を傾げていると、隣の壺山が机の中から音楽の教科書を出した。
ああ、次は音楽か。
苦手だな……。
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