隣の席の不思議系彼女
よし、これで諦めてくれるだろう。
俺は壺山を自分の身体からはがして、肩を掴みながらよくよく言い聞かせた。

「え~……。まだダメなの?」

充分待ったのに……。
と、わけの分からない独り言を言う壺山を椅子に座らせて、取り敢えず落ち着こう、と目の前のお茶をガブガブ飲む。

「……敏、敏!
これって婚約?!」

壺山と婚約かぁ……。
って、違う!!

「え? ちがっ……!」

慌てて否定するも、母さんはうんうんと、感慨深げに頷いている。
何を納得してるんだよ。

「おい親友、どうして今まで教えてくれなかったんだ?
あ、だから彼女作らなかったんだ?
まぁ、可愛い婚約者がいたら、彼女なんて作らないかぁ。

で、なんで今まで教えてくれなかったんだ?」

「だから、ちが……」

視線の鋭い野崎がニタニタしている。
怖い。
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