隣の席の不思議系彼女
「うちもね、本社近くに住もうって、同じ時期に家族で引っ越して来たんだよね」

「……?
壺山の親と、俺の父親の仕事が同じで、同じタイミングで転勤したってことか?」

「そうそう」

なるほど。
同じ会社で働いていた親同士が、同じタイミングで転勤。
それなら、俺家と壺山家が引っ越しても同じ土地にいることに頷ける。

ああ、でも中学は別だったのかな?
俺、壺山のことすっかり忘れてたし。
中学の頃は一切壺山を見かけていない。

「壺山さん、親御さんがうちのお父さんと同じ仕事をしていらっしゃるのね~」

母さんが手を頬に当てて、驚いたように言った。

その時、玄関からガチャりと鍵の開く音がした。
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