隣の席の不思議系彼女
「いえいえいえいえお嬢様!

どうぞお顔をお上げになって下さい!

こ、こここ、こちらこそ、こんな庶民の家にご来訪いただきまして……?!」

「ちょっと父さん、なんでパニック?
クラスメイトの壺山だよ」

リビングの入口で、綺麗に90度で頭を下げる父さん。
その隣できょとんとしている岳。

リビングにいる俺も母さんも野崎も、呆気にとられている。
笑顔でいるのは壺山だけだ。

「お、おいお前達!
お嬢様に粗相なんてないだろうな?!」

「お嬢様……?

あぁ。壺山の家は確かに大きかったな。
お嬢様なんだって思ったけど。

で、それでどうして父さんがそんなにテンパる必要があるの?」

確かにお嬢様だなって思ったけど、だからって父さんが焦ってるこの状況が理解出来ない。
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