隣の席の不思議系彼女
「んっまぁぁぁぁ!

こんな可愛いお嫁さんに貰えるなんて、婚約だなんて!
あらあらどうしましょう!!

お赤飯炊こうか!!
あ、お寿司が良いかしら?!」

……ダメだ、ダメだった……。

あ、もう一人いた!!

「野崎!!」

「……親友、幸せになれよ!
俺、応援してるから……」

って、涙目じゃねぇかよ!
なんでそんな表情のお前に祝福されてんだよ俺は!!

どうやら味方はいないらしい。

ぐったりしながらちらりと横を見ると、にこにこと笑顔を浮かべる壺山。

「安城君、わたし帰るね。
そろそろお夕食の時間だし」

突然俺の腕から自分の腕を抜く。

カバンを持って歩き出す壺山に、リビングの入口に立っていた父さんがさっと道を開けた。
今日の父さんはとにかく素早い。
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