隣の席の不思議系彼女
「もしそんなにすごいお嬢様だとして、敏と同じ普通の高校に通うかしら?
小学校も一緒だったらしいし。

なんだか話しやすい良い子だったし、お父さん、気にしすぎじゃないの?

今の話って、全部、噂なんでしょう?」

お父さんったら大げさねぇ、と、目の前のせんべいに手を伸ばす母さん。

父さんははぁっとため息をついて、俺の肩から手を下ろした。
俺や母さんに話しても無駄だ、と悟ったようだ。

「まぁ父さんは本社で働かせて貰っているとは言えど、社長に直々にお目にかかれるような立場ではないから。
確かに社内の噂でしか知らないんだけどな……。

とりあえず父さんの働く会社の社長のお嬢様だから、大事に大事にするんだぞ?
くれぐれも粗相のないようにな」
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