隣の席の不思議系彼女
背筋の凍るような想像をしてしまった……。
もう一回、壺山を探しに来た道を戻ってみよう。う、うん、それが良い!

俺が踵を返して来た道を戻ろうとしたとき。
背後から門の開く音が聞こえた。

ど、どどどどどうしよう、チャイムも鳴らしてないのに開いちゃったよ……!

壺山の父さんが仁王立ちだとか、不審がってる家の人が睨んでるとかしたら俺、どうしたら良い?
あああ、逃げ出したい!

で、でもそれは、ダメだよな……?

俺は恐る恐るゆっくりと振り向いた。

「安城? どうしたの?
防犯カメラに映ってたよ。
門の前でウロウロしてて、不審者みたいで面白かったよ」

「なんだぁ壺山かぁ……!
って、不審者とは失礼だな」

そこに立っていたのは壺山だった。
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