隣の席の不思議系彼女
「心配してくれたの?
嬉しい!! ありがとう!!」

途端に笑顔にある壺山。

……俺の一言一言に影響されすぎだろ。

「だったら送ってくれたら良かったのに。
これだから安城は。

あ、でも大丈夫だよ? 迎え呼んで車で帰ってきたから。全然大丈夫」

……嬉しそうにしながらも、毒を吐くこともきっちりとこなす壺山。
まぁ、俺が悪かったけど。
女の子をこんな時間に一人で帰らせるなんて、いくら家族総出でテンパっていたとはいえ、悪かったよな。

「こんな時間に悪かったな、壺山が無事で良かった。
今日は、送れなくてごめんな。じゃあ」

帰ろうと後ろを向いたところで、たたっと軽快な足音が聞こえて、背中にぬくもりを感じた。
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