未練と祝福 〜14年目の永遠の誓い 番外編(3)〜
「話し中に邪魔しちゃって、ごめんね」
「とんでもない! それより陽菜ちゃん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だと思う……んだけど」
晃太さんは自信なさげに、後ろを振り向き、今日の主役たちの様子を見る。
ついさっきまで、オレたちを囲んでいた野次馬たちも、もういない。
みんな、広瀬先輩を追いかけて行ってしまった。
「あ、ハルちゃん、部屋に入るみたい。ごめんね。オレもちょっと行ってくるわ」
お兄さんはそう言った後、思い出したように続けた。
「あの2人が退場したなら、もっと真ん中に出てきても大丈夫だよ。お腹空いてない? なんか飲んだり食べたりしてってね?」
「あ、ありがとうございます」
この場には明らかに異質な存在だと言うのに、晃太さんはひたすら優しい。
本当に申し訳なくなるくらい気遣いができる人だ。
晃太さんの背中を見送りながら、見るともなしにパーティの様子を眺める。
主役が退場しても、お開きになる様子もなさそうで、みんなまだ楽しそうに飲み食いしている。
さっきもらったドリンクも、食事も、本当に美味しかった。
こんな場でなきゃ、もう少しと思うのだろう。
けど、いくら陽菜ちゃんと広瀬先輩がいなくなったからって、2人の祝いの場に堂々と顔を出す気にはなれなかった。
オレは、深々と一礼すると、静かにその場を後にした。
☆ ☆ ☆
「とんでもない! それより陽菜ちゃん、大丈夫ですか!?」
「大丈夫だと思う……んだけど」
晃太さんは自信なさげに、後ろを振り向き、今日の主役たちの様子を見る。
ついさっきまで、オレたちを囲んでいた野次馬たちも、もういない。
みんな、広瀬先輩を追いかけて行ってしまった。
「あ、ハルちゃん、部屋に入るみたい。ごめんね。オレもちょっと行ってくるわ」
お兄さんはそう言った後、思い出したように続けた。
「あの2人が退場したなら、もっと真ん中に出てきても大丈夫だよ。お腹空いてない? なんか飲んだり食べたりしてってね?」
「あ、ありがとうございます」
この場には明らかに異質な存在だと言うのに、晃太さんはひたすら優しい。
本当に申し訳なくなるくらい気遣いができる人だ。
晃太さんの背中を見送りながら、見るともなしにパーティの様子を眺める。
主役が退場しても、お開きになる様子もなさそうで、みんなまだ楽しそうに飲み食いしている。
さっきもらったドリンクも、食事も、本当に美味しかった。
こんな場でなきゃ、もう少しと思うのだろう。
けど、いくら陽菜ちゃんと広瀬先輩がいなくなったからって、2人の祝いの場に堂々と顔を出す気にはなれなかった。
オレは、深々と一礼すると、静かにその場を後にした。
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