未練と祝福 〜14年目の永遠の誓い 番外編(3)〜
「あの、ただ、一目、陽菜ちゃんの花嫁姿を見て、」
結婚式に乱入する気なんてなかった。
陽菜ちゃんの顔を一目見られたらよかったんだ。
「なるほど。一目、ね。……それで?」
「あの……それで、一目見て、打ちのめされようと、」
この教会の場所なんかを教えてくれた友人に言ったのと同じ言葉を絞り出すように言った瞬間、お兄さんの背後で誰かが吹き出した。
「おい、晃太」
お兄さんがとがめるように言いながら、振り返る。
「や、もういいじゃん? この子、別に何も邪魔してなかったし」
その人は、楽しそうに笑いながら、お兄さんの肩をポンポンとたたいた。
「君、面白いね」
クスクス笑いながら、お兄さんの後ろから出て来たのは、お兄さんとは正反対の柔らかい空気をまとったイケメン大学生だった。
お兄さんも間違いなく綺麗に整った容姿を持っているけど、この人の方がモテるだろうな、と思った。
背は高いけど細身で威圧感はない。そして、スーツを着てはいるけど、社会人には見えなかった。
「君、一ヶ谷くん、だよね? あれから一年以上経つのに、まだ諦められていなかったんだ」
大きなお世話だ!
と思ったけど、言えない。
今ここにいるってことは、陽菜ちゃんの関係者だろう。オレの名前も知っている上、お兄さんとの親しげな様子からして親戚かもしれない。
オレは、お兄さんが一年以上たった今でも怒っているのが当然だと思うくらいには、あの時の自分を反省している。
結婚式に乱入する気なんてなかった。
陽菜ちゃんの顔を一目見られたらよかったんだ。
「なるほど。一目、ね。……それで?」
「あの……それで、一目見て、打ちのめされようと、」
この教会の場所なんかを教えてくれた友人に言ったのと同じ言葉を絞り出すように言った瞬間、お兄さんの背後で誰かが吹き出した。
「おい、晃太」
お兄さんがとがめるように言いながら、振り返る。
「や、もういいじゃん? この子、別に何も邪魔してなかったし」
その人は、楽しそうに笑いながら、お兄さんの肩をポンポンとたたいた。
「君、面白いね」
クスクス笑いながら、お兄さんの後ろから出て来たのは、お兄さんとは正反対の柔らかい空気をまとったイケメン大学生だった。
お兄さんも間違いなく綺麗に整った容姿を持っているけど、この人の方がモテるだろうな、と思った。
背は高いけど細身で威圧感はない。そして、スーツを着てはいるけど、社会人には見えなかった。
「君、一ヶ谷くん、だよね? あれから一年以上経つのに、まだ諦められていなかったんだ」
大きなお世話だ!
と思ったけど、言えない。
今ここにいるってことは、陽菜ちゃんの関係者だろう。オレの名前も知っている上、お兄さんとの親しげな様子からして親戚かもしれない。
オレは、お兄さんが一年以上たった今でも怒っているのが当然だと思うくらいには、あの時の自分を反省している。