《短編》ガラクタ。
会場は隠れ家的な場所で、これじゃ人なんて居ないんじゃないかと思ったけど、驚くことに結構な人数のお客さんが居た。
平日の昼間ってことで満員御礼ってわけにはいかないけど、それでも人気の高さは十分うかがい知ることが出来る。
真ん中にはあたしの名前のついた絵がデカデカと置かれていて、みんなはすげぇとかヤベェとか、そんな言葉ばかり。
「おいおい、お前ら目立ち過ぎ。
つか、恥ずかしいから他人のフリしてくれない?」
顔を向けてみれば、スーツに柄シャツなんていでたちの一番目立ってる彼は、仕事終わりのホストのように不機嫌そうに口元を引き攣らせてこちらへと足を進めてきた。
まぁ、そりゃそうだろう、だってパンクにスケーター系、デリッカーにサーフ系が居て、おまけにギャルも居る集団なんだから。
「アラタさん、俺、すっげぇ興奮してる!」
「だろ?
アイドルとセックスしてるくらい興奮するよな。」
「いや、半端ないっす!」
チャマくんが目を輝かせ、そんな彼の様子に満足そうなアラタは、口元を上げた。
だからうるせぇよ、って言いたいけど、それでもあたしは端で適当に視線を投げるのみ。
「俺、煙草吸ってくるわ。
お前ら適当に見てろよ。」
「じゃあ、あたしも行く。」
どうにも落ち着かなくて、きびすを返したアラタの後ろへと続けば、彼は何が可笑しかったのか口元に小さく笑みを浮かべていた。
こっちだよって感じでまるでエスコートするように腰を引かれ、別人説は未だ拭えないんだけど。
「お前、見なくて良かったの?」
「興味無いから良い。」
「へぇ。」
裏口から出て灰皿の置かれているだけの喫煙スペースで煙草を咥えてみれば、何故かあたしの体に、向かいの茶髪が絡んでくる。
鬱陶しくて火をつけようとしたのに、容易くそれは奪われてしまうのだから。
「嫉妬?」
平日の昼間ってことで満員御礼ってわけにはいかないけど、それでも人気の高さは十分うかがい知ることが出来る。
真ん中にはあたしの名前のついた絵がデカデカと置かれていて、みんなはすげぇとかヤベェとか、そんな言葉ばかり。
「おいおい、お前ら目立ち過ぎ。
つか、恥ずかしいから他人のフリしてくれない?」
顔を向けてみれば、スーツに柄シャツなんていでたちの一番目立ってる彼は、仕事終わりのホストのように不機嫌そうに口元を引き攣らせてこちらへと足を進めてきた。
まぁ、そりゃそうだろう、だってパンクにスケーター系、デリッカーにサーフ系が居て、おまけにギャルも居る集団なんだから。
「アラタさん、俺、すっげぇ興奮してる!」
「だろ?
アイドルとセックスしてるくらい興奮するよな。」
「いや、半端ないっす!」
チャマくんが目を輝かせ、そんな彼の様子に満足そうなアラタは、口元を上げた。
だからうるせぇよ、って言いたいけど、それでもあたしは端で適当に視線を投げるのみ。
「俺、煙草吸ってくるわ。
お前ら適当に見てろよ。」
「じゃあ、あたしも行く。」
どうにも落ち着かなくて、きびすを返したアラタの後ろへと続けば、彼は何が可笑しかったのか口元に小さく笑みを浮かべていた。
こっちだよって感じでまるでエスコートするように腰を引かれ、別人説は未だ拭えないんだけど。
「お前、見なくて良かったの?」
「興味無いから良い。」
「へぇ。」
裏口から出て灰皿の置かれているだけの喫煙スペースで煙草を咥えてみれば、何故かあたしの体に、向かいの茶髪が絡んでくる。
鬱陶しくて火をつけようとしたのに、容易くそれは奪われてしまうのだから。
「嫉妬?」