はじめては全部きみでした。
episode2
変わる関係
帰宅してから啓介の告白が頭の中から離れない。
大きく溜息をついた。
だめだ。なっちゃんに相談しよう。
「お待たせ」
「なっちゃん〜!!!」
なっちゃんが来るなり思い切り抱きついた。
「どうしたのよ」
「急にごめんね。実は……啓介に告白された…」
「うっそ!?とうとう言ったのね…」
とうとうって…
「なっちゃん知ってたの!?」
「見てたら分かるわよ」
「うそー……私びっくりしちゃって…しすぎちゃって…どうしたらいいか分からなくて」
「付き合ってみたらいいじゃん」
「…付き合うってよくわかんないんだもん。それに啓介は、家族同然なんだよ。ずっと一緒にいたしお母さん同士も知りあいで…それが今更彼氏なんて…」
「一緒にいて安心する人」
「え?」
「私はそれが恋だと思ってる」
前もそんなこと言ってた。
そういえば啓介は、それが私だって。
あの時私はそれを家族みたいな存在だからって解釈したけど、あれはそういう意味だったのかもしれない。
私にとっても啓介は、一番安心する存在だ。
それが、恋なの…?
「啓介と一緒にいると楽しいし、落ち着く…。それが本当に恋だというなら私は…」
「大丈夫よ。あんた達なら絶対うまくいくもの」
その言葉を聞いて頷いた。