はじめては全部きみでした。
先輩たちの姿が見えなくなると
「やばいって!純也先輩まじかっこいい」
「いやいや、俊明先輩でしょ!」
さっきまで大人しかった二人が揃いに揃って騒ぎ立て始めた。
楓は純也先輩、
栞里は俊明先輩が気に入ったみたい。
純也先輩は金髪に近い髪色で少しチャラそうだった。
俊明先輩は真面目そくうな黒縁メガネをかけた人。
そこに真先輩。
なんて言うか……すごい組み合わせ。
「ヒナは真先輩だよね!」
「え?」
「付き合ってるんでしょ?」
「ええ!?!?」
楓が突然そんなことを言うもんだから、
飲んでいたお茶をこぼしそうになった
「違うの?わざわざテスト前に勉強教えてくれてたし、最近いつも二人で会ってるからそうなのかと思った」
「違うよ!」
「でも先輩はヒナのこと好きでしょ?」
「そんな…ことないと思う…」
「いや絶対好きだから!だってヒナのこと守りたいって告白みたいなものじゃん」
「そうなの…?」
「絶対そう!!!!」
守りたいって言ってくれたのは事実だけど
私はあれを告白だとは思えない…
あれは先輩の優しさ……中学時代の罪滅ぼしみたいなものじゃないの?