はじめては全部きみでした。


水着になり、先輩のパーカーを羽織った。



「遅くなってごめんなさい…」

『おー!』




一気に注目を浴びた。

こういうのは慣れてないし
今までの私なら逃げ出したくなっていたと思う。



でも今日は…大丈夫だ。




「よーし海行くぞー!」

「あ、待っ」

「待ってヒナちゃん」




先輩に手首を掴まれた。

みんな先に海に入っていく。





「先輩入らないんですか…?」

「んーとその…海でたらパーカーのチャック閉めてね」

「あ…ご、ごめんなさい!みすぼらしい身体を見せてしまって…」

「違うよ!」

「えっと…」

「その……うん、すごく素敵。でもその…良すぎると言いますか。目のやり場に……困ります」




急に敬語になり、先輩は頭を抱えた。



先輩ーーーー


すごく嬉しい…。





「ご、ごめんね!!!!きもいよね、ごめん!」

「そんな!嬉しい…です」

「…ほんと?」

「本当!!!!」

「それなら良かった」




そう言って私の頭を優しく撫でた。



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