はじめては全部きみでした。
ヒナ!
ヒーナ!
楓と栞里の声…?
私…
「ん…」
目を開けると二人が心配そうに顔を覗き込んでいた。
「あれ…私…」
「真先輩がお酒飲ませたの!それでそのまま潰れて一晩寝てたのよ」
「え…もう朝なの!?」
「そうだよー!もー!」
本当だ。
よく見ると辺りは明るい。
「シャワー浴びてきたら?朝ごはんもうすぐだから」
「うん、そうする」
先輩に悪いことしちゃった…
あまり覚えていないけど、なにか話していたような。
なんだっけ…
***
シャワーを浴びて三人で朝食バイキングの会場に向かった。
「ヒナちゃん!大丈夫?」
「おはようございます…。昨日はごめんなさい」
「いや俺こそごめんね」
本当はちょっぴりまだ頭が痛い。
これが二日酔いうやつなのか。
「朝ごはん食べられそう?」
「はい!たくさん寝たからお腹すいちゃいました」
「よかった。じゃあいこう」
先輩に手を引かれ会場へ行こうとした時、
「千代、携帯ベッドの上に忘れてたぞ」
聞き覚えのある声だった。