はじめては全部きみでした。




ヒナ!

ヒーナ!




楓と栞里の声…?

私…



「ん…」



目を開けると二人が心配そうに顔を覗き込んでいた。





「あれ…私…」

「真先輩がお酒飲ませたの!それでそのまま潰れて一晩寝てたのよ」

「え…もう朝なの!?」

「そうだよー!もー!」




本当だ。

よく見ると辺りは明るい。



「シャワー浴びてきたら?朝ごはんもうすぐだから」

「うん、そうする」



先輩に悪いことしちゃった…


あまり覚えていないけど、なにか話していたような。



なんだっけ…



***



シャワーを浴びて三人で朝食バイキングの会場に向かった。




「ヒナちゃん!大丈夫?」

「おはようございます…。昨日はごめんなさい」

「いや俺こそごめんね」




本当はちょっぴりまだ頭が痛い。


これが二日酔いうやつなのか。




「朝ごはん食べられそう?」

「はい!たくさん寝たからお腹すいちゃいました」

「よかった。じゃあいこう」





先輩に手を引かれ会場へ行こうとした時、








「千代、携帯ベッドの上に忘れてたぞ」


聞き覚えのある声だった。






< 111 / 171 >

この作品をシェア

pagetop