はじめては全部きみでした。



「……ヒナちゃん、朝ごはんた食べに行こう」

「…はい」




何も聞かないでくれる先輩。



今は先輩のそのご好意に甘えるしかない。





***





「美ら海水族館とうちゃーく!!!!!」




太陽の光に照らされて少し疲れてしまっている私をよそに、楓が元気よく叫んだ。


純也先輩もあとに続く。




「ジンベイザメ楽しみすぎる!!」

「エイだろ」




二人の仲良しは二日目の今日も健在。




みんなで楽しいはずの水族館なのに、

私はずっと上の空だった





頭の片隅には、朝見た光景が忘れられない





胸の奥はずっと苦しいままだ




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