はじめては全部きみでした。


みんなが水族館のグッズを見ているあいだ、

私外に出て海を眺めていた。




「泉さん」




そこに来たのは………俊明先輩。




「あ…えっと」



二日間一緒にいるけど、
真先輩以外の先輩達と二人になることはなかった


相変わらず慣れない男の人の前だと
下を向いてしまう




「まあそのままでいいけど」

「ご、ごめんなさい…」

「あのさ、泉さんってそれ演技なの?」

「……え?」




突然そんなことを言われて訳が分からない。



でもきっと何か理由があるのだと思った。




「本当は色んな男に色目使ってたりする子?」

「そんなこと…」

「ないよね。じゃあなんで真はいいの?あいつのこと好きなの?」




ーあいつのこと好きなの?ー




先輩のことを…?




先輩は、夢を追いかけていて
私に道を照らしてくれる太陽みたいな人。




「あいつの気持ち知ってるよね?」




気持ち……?



ー「………好きだよ。ずっと…ヒナちゃんが好きだよ。この世界中の誰よりも…君のそばにいたい」ー





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