はじめては全部きみでした。
俊明先輩に真先輩の話を聞いてから
結弦君でいっぱいだった私の頭の中は、先輩一色になっていた
先輩が私を好きだと言ったのは
死んだ彼女に似ているからなの?
そんな苦しい想いを抱えて
私を守ってくれているの?
「じゃあみんなおやすみ〜。あした最終日だからな」
あっという間におわった二日目の夜。
女子部屋では話は恋バナへ変わった。
「ねえ!純也先輩まじやばい」
楓が興奮気味に話している。
「もー好きすぎ〜。でも絶対チャラいよねー」
「真先輩の友達だし案外そんなことないんじゃん?」
ヒナはどう思う?とこちらを向く二人。
「楓と純也先輩はお似合いだと思うよ」
「ほんとー!?」
二人は本当にお似合いだった。
あんなにずっと笑いあっていて、幸せそうだった。
私も、真先輩といると楽しい。
でも先輩は違うのかな。
先輩の言った"好き"は誰に向けていたのーー?