はじめては全部きみでした。
episode7
憧れと尊敬
「純也先輩と付き合うことになりましたー♪」
沖縄旅行を終えてから一週間。
まだ夏休みは三週間も残っている今日、
楓が嬉しそうに報告してくれた。
「良かったね、おめでとう」
「ヒナは旅行終わってから真先輩とは会ってないの?」
「うん…そうだね」
先輩に聞きたいことはたくさんあるけれど、
何から聞いたらいいのかわからない。
そんなこんなで一週間、連絡を返すことが出来ずにいた。
「連絡してみなよ!今!」
「い、今?」
こんな唐突なことを言い出したのは、栞里。
「はやくはやく!もう、貸して!」
強引に栞里に携帯を奪われ、何やら文字を打っている。
「ちょっと栞里…」
「はい、送信!」
「ま、ま、まって!!!」
既に遅く、携帯画面には既読のついたメッセージが。
ヒナ【お久しぶりです!今日暇ですか?会えませんか?】
そんな栞里のメッセージに対してすぐに真先輩から返信が来た。
真先輩【いいよ。今どこ?】
「うそ…」
「ほら!行ってきな!」
仕方なく、先輩に近い居場所を伝えた。
結局駅前のカフェで落ち合うことになった。