はじめては全部きみでした。
夏の果て
一ヶ月強ある夏休みは終わり、今日から新学期。
先輩達と過ごせるのも、残り半分となった。
夏休みが終わったということは…
「文化祭の実行委員を決めますよ」
教室が少しざわついた。
毎年何故だか文化祭の実行委員だけは人気があるらしい。
みんな自分のやりたいことをしたいのかな。
そのため実行委員はすぐに決まり、何をやるか話し合うことになった。
「候補は…コスプレ喫茶、ホステスカフェ…って」
似たようなものじゃないのかな…。
結局多数決ホステスカフェになった。
「ヒナ何の係やる?」
栞里が聞いてきた。
「んー…お裁縫好きだからドレス作りかな。栞里は?」
「ドリンクにしようかな…」
「私はホステス!」
栞里のあとすぐに元気よく言うのはやっぱり楓。
純也先輩とは順調みたいで、前よりもパワーアップしているような。
「泉さん!!!!!」
突然実行委員の女の子達に囲まれた。
「泉さんは、絶対ホステス!!!!!」
「え…む、むり!!」
「ダメ!!!!」
半ば強引に黒板のホステスの欄に"泉日向"と書かれた。
「ど、どうしよう…」
「大丈夫大丈夫。ヒナなら何でも似合うって」
そういう問題じゃない!と楓の背中を叩いた。
文化祭は他校からも知らない生徒が沢山くる。
そんな中でドレスを着て接客なんて…
私に出来っこない