はじめては全部きみでした。

文化祭




「もう少し色濃い方がいいんじゃない?」

「うーん……こう?」




楓と看板の色を塗る作業。




「楓は、文化祭は純也先輩と回るの?」

「まあね〜♪」

「ラブラブだね」

「ヒナはやっぱり先輩と回るんでしょ?」

「あ、いや……後夜祭だけ…」

「えー!!!告白じゃん!それ!!」




興奮する楓に軽く笑い返した。



「泉さん!衣装出来上がったから着てみて!」

「う、うん…」




渡された衣装に着替えると、白とピンクのミニスカドレスだった。




「脚すごいでる…」

「細くて白い脚なんだから、出さないと」




こんなの着るの…?

すごく嫌だけど……


決まってしまった以上仕方がない。




「ヒナ似合うじゃーん!!!」



係の仕事を終えて戻ってきた栞里が言った。




「み、見ないでよ…」

「えー可愛いのに。これは当日楽しみだね。先輩悩殺」

「そんなことないよ…」




文化祭当日………結弦君は、来るのかな。


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