はじめては全部きみでした。
ーーーーー文化祭当日
「いらっしゃいませ〜ホステスカフェです!ご指名どうなさいますか?」
一人目のお客さんが来たみたい。
「ヒナ、頑張ってね!」
「うう……どうしよう」
「大丈夫大丈夫!たかが文化祭だし!あ、さっそくヒナご指名だよ!!!」
栞里と楓に背中を押されて表に出ると…
「真先輩!!!!!」
指名してくれたのは先輩だった。
栞里がドリンクを運んできてくれて二人で肩を並べた。
「指名とかあるからびっくりした」
「ですよね…」
「ほかの人ともこうやって話すんだよね。……なんか妬けちゃうな」
「そ、そんな……」
一人目のお客様が先輩で良かった。
緊張はほぐれ、むしろ頑張ろうという気持ちになれた。
「じゃあ…後夜祭で」
「…はい、また」
先輩を送り出すとすぐに二人目のお客様に指名をされた。
他校の生徒、先輩達。
地元のお兄さん。
こんなに知らないたくさんの人と話すのは初めてで
でも前より下を向かなくなった。
先輩のおかげなのかなーーーー?