はじめては全部きみでした。
後夜祭
一瞬だったけど結弦君に触れられたところは、未だに熱を帯びている。
あの温かい手…
いつぶりだろう
「ヒナ見つけた!!先輩探してたよ」
「楓…」
「ちょっと……大丈夫?目赤いよ……どうしたの」
頭をブンブンと横に振った。
まだ泣いちゃダメだ。
「先輩……どこにいるの?」
「俺の教室で待ってる…って」
「ありがとう」
「……ヒナ」
楓が私を呼び止めた。
「行ってらっしゃい」
優しく笑った。
「ーーーうん」
走りながらたくさん考えた。
先輩と出会った時のこと。
再会した時のこと。
先輩はいつだって私を照らしてくれる太陽で
私は向日葵のようにその太陽につられて上を向いた
先輩ーーーーーー