はじめては全部きみでした。
「俊明から聞いてるよね、あいつが亡くなったこと」
「はい…聞きました。自殺だった…って」
先輩は少しだけ笑って、うん、と頷く。
苦しそうなのがわかる。
「俺ね…ずっと後悔してた。もっとあいつの声を聞いて、もっとあいつに寄り添ってやれば良かったって。俺のせいでーーーー死んだんだ」
そんなーーーーー
そんなことーーーないはずなのに
でもそんな無責任なことは言えない。
「ヒナちゃんに出会った時は正直驚いた。同じ名前で、ひなたみたいな性格でさ。ずっと……ずっと、ひなたとヒナちゃんを重ね合わせてた」
「それの何が…いけなかったんですか?」
私だって重ねていた。
結弦君と先輩を。
「ヒナちゃんとひなたは全然違った。正確には、違くなっていた…のかな」
違くなっていった……?