はじめては全部きみでした。
「初めてヒナちゃんを見た時はひなたと重ねていたけど、ここの学校に転校してきて再会した時は別人に見えた。すごく、強い子になってた」
「じゃあどうして…私を守るって」
ひなたさんじゃないと分かった私を守る意味なんてないはずなのに。
「はは…何度も言ったはずだよ。ヒナちゃんを守りたいんだって」
「それって…」
先輩は優しく笑った。
「うん。ヒナちゃんのことが好きなんだ」
何も返せない私に続けた。
「考えてみてやっぱりそうだって分かった。
再会した時からずっと……好きなんだ。
でも、俺にそんなふうに思う資格なんてないと思ったから、誤魔化した。ごめんね」
先輩の告白を聞いて、嬉しくて涙が溢れた。
資格なんて関係ないのに。
人を好きになるのにそんなの必要ないのに。
先輩、
先輩、
先輩ーーーーー
「私も………好きです」