はじめては全部きみでした。



少し開いた窓から冷たい風が入ってくる。



秋の匂い。



先輩は笑いながら

うん、って。

わかってる、って。




先輩。


先輩が好き。

尊敬してる。

憧れている。


先輩がーーーーーーー


「でも……」



私は知ってしまったんだ



「ごめんなさい…っ」



これは恋じゃない。


知ってるから。


もう、知ってるから。


恋が、愛が、どんなものなのかって。



「私ーーーーー好きな人が、います」








もう、迷わない。




< 142 / 171 >

この作品をシェア

pagetop