はじめては全部きみでした。

「……なによ」

「話したいことがあるの」

「………聞きたくない」

「駄目なの！」



それじゃ、駄目なんだよ。


なっちゃんを傷つけたぶん、
私はなっちゃんに向き合わなきゃいけない。




「私の話を聞いて」




真っ直ぐ、なっちゃんの目を見つめた。


なっちゃんは、はあ、とため息をついて頷いた。




「私…前になっちゃんと話した時は何も言えなかった」

「聞いたとしても私は認めたりなんてしない」

「今まで笑っていたのかってなっちゃん言っていたけど……本当に知らなかったの！！でも…知ってからはずっと苦しくて…辛かった。大好きなーーーー大好きななっちゃんの彼氏だったから」



なっちゃん、ごめんね。

あの時の私は弱くて惨めで、
どちらを選べばいいのかわからなくて。

でも今ならわかる。




「だけどもし知ってから出会っていたとしてもーーーーーー私は結弦君を好きになってたよ」




なっちゃんは溜め込んでいた涙をボロボロとこぼした。


ずっと、私より苦しんでた。





「ヒナに好きな人ができたら応援しようと思った。本当に本当に……ヒナはひとりじゃ何も出来ないし、私がいないとって……本当に応援……したかったの！！！」

「なっちゃん…」

「なのにどうしてーーー？どうして……結弦なの…っ」