はじめては全部きみでした。
秘密の公園
その日は空がいつもより綺麗な日だった。
その日は雨予報なのに快晴だった。
その日は初めてドキドキした。
***
「ヒナごめん、今日委員会の仕事やることなって…」
「じゃあ先帰るね!頑張ってね」
「…ああ、気をつけて帰れよ」
そんなわけで、今日は久しぶりに一人での下校。
いつもと同じ帰り道を歩く。
「そういえば、こっちの道行ったことないかも」
ふと思い、いつもとは違う細い道を歩いた。
バンっと何かを壁にぶつけているような音が聞こえてくる。
ーーーなんだろう。
その音の方へ向かうと、こじんまりとした公園があった。
そこでサッカーボールを蹴っている男の子がいる。
180センチくらいはあるかな…?
背が高くて長い脚。
その足で何度もボールを蹴る。
首筋から流れる汗がキラキラしていた。
何故だか目が離せない。
「…何見てんの」
「え、あ、ご、ごめんなさいっ」
すぐに去ろうとしたが
「待って」
と引き止められた。