はじめては全部きみでした。
一週間後ーーーーーー
今日は先輩が旅立つ日。
やっぱり私は、先輩のお見送りをしたくて
空港に来てしまった。
先輩はまだ来ていない。
渡すものを必死に考えた。
何をしてあげられるかって。
純也先輩達の声と共に、先輩の姿が見えた。
「ヒナちゃん…?」
私の姿を見て驚く先輩。
来ないでって言われてたのに、
勝手に来て怒るかな
でも…
私は変わりたいんだ。
「勝手に来てごめんなさい」
「いや……うん、ダメって言ったのにな」
「先輩に渡したい物があって」
「渡したいもの?」
首を傾げる先輩の手元に
私の持っているものを渡した。