はじめては全部きみでした。

悲しみを超えて




「ただいま〜」

「あ、ヒナ。これ啓ちゃんのところに持って行ってあげてくれる?」




帰ってくるなりお母さんが回覧板を渡してきた。




啓介のところに……

もうずっと会っていないのに。



朝は多分お互いずらしているのか
全く会わなくなった。



クラスも同じ校舎にはいないから
多分別の校舎なんだと思う。




ピンポーン、とチャイムを鳴らすと
しばらく何も声が帰ってこない。



少しホッとしてしまった。




これなら会わなくて済む……




そう思った矢先、


「ヒナ」


後から声をかけられた。




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