はじめては全部きみでした。
Last episode
親友の彼氏
取り壊しの紙は剥がされ、
前と何も変わらない公園。
初めてあった日のように
サッカーボールを蹴る少年。
堪えようとした涙はもう溢れて止まらない。
「結弦君!!!!」
振り向いた結弦君の顔を見て、涙はさらに溢れた。
「ーーーーヒナタ」
ほら、やっぱり結弦君の声だった。
会えなくてもずっと私の中で名前を呼んでくれていた。
結弦君の優しい声は
私をおかしくするの。
「私の話…聞いてくれる?」