はじめては全部きみでした。
結弦君は優しく頷いてくれた。
言いたいことは…話したいことはたくさんある。
でもーーーーー一番伝えたいこと。
「結弦君、私ね結弦君に出会ってたくさん傷ついたり悩んだよ」
「うん」
「でも、その分強くなれた」
「ヒナタは最初から真っ直ぐで、強い瞳(め)をしてたよ」
「…でも、私の中にもたくさんの醜い気持ち…嫉妬心があった」
「うん」
「知らない私を、結弦君は教えてくれたの」
「結弦君は、」
ーーーー好きになってはいけない人
ーーーー出会う事を許されなかった人
ーーーー親友の彼氏
そしてーーーー
「私が世界で一番愛している人、です」
結弦君は優しく微笑んで
「俺もーーーーーヒナタを愛してる」
そっと唇を重ねた。