はじめては全部きみでした。




結弦君。

結弦君。

結弦君。





私ーーーー

こんなに胸が張り裂けそうになるほどの
好きという想いがあるなんて知らなかった


抱きしめられた時の温もりも
キスの味が甘くて幸せなことも
醜く哀れな感情があることも
涙が出るほど愛しい気持ちも

何も知らなかった。




全部

はじめては 結弦君でした。



私達は手を取り合い、握りしめた。
結弦君の体温が伝わる。
鼓動が聞こえる。



たくさん遠回りをした。
たくさん人を傷つけた。



だからこそ、

もう、待つことも逃げることもしない。



ずっと寄り添っていきたい人だから。




「ヒナタ」「結弦君」



『ーーーーーずっと…』




I say love it is a flower
And you its only seed



愛は花だと言った

そして君はその種子だって





結弦君、私達は二人で種になろう

二人で花を咲かせよう

枯れることのない、永遠の花をーーーー


ーfinー





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